「終活」という言葉について
「終活」という言葉が注目されるようになったのは2010年頃ですので、約10年ほど前からということになります。(2023年現在)
雑誌の特集にはじまり2012年には流行語トップテンにも選ばれています。(ちなみに、お笑い芸人のスギちゃんの「ワイルドだろぉ」が大賞の年です。)

「終活」をする人が増えた理由
団塊世代をターゲットとしたビジネス
終活が話題になり始めた2010年頃は、戦後の第一次ベビーブーム期に生まれた人々が、定年を迎える時期でした。
団塊世代をターゲットに需要を見込んだ「終活」をビジネスに繋げようという動きが見られ始めます。
少子化
1971~74年の第二次ベビーブーム後、出生数が減少に転じました。
一時回復傾向になりますが、1980年代半ばから再び減少し、2022年、1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す「合計特殊出生率」は、1947年以降で最低の1.26となりました。
1年間に生まれた子どもの数(出生数)は77万747人で、1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込み、過去最少を更新しています。
少子化は、継承者の減少を意味します。お墓のこと、家や土地や財産、自分の代で対応を迫られる人は、必然的に終活に関心をもつことになります。
高齢化
子どもの数が減る一方で、高齢者の人口に占める割合は年々増加しています。少子高齢化にともない、介護が必要な方の割合、認知症になる確率も高くなります。
延命治療などの判断が自分でできなくなる可能性を見据えて、「尊厳死宣言」などの意思表示をしておくことの重要性も増加しています。
おひとりさまの増加
高度成長期以降は核家族化が進み、一人暮らし世帯が増加しています。
身近に親族や知人がいない、いわゆる「おひとりさま」の方の中には、自分自身の終活について、より現実的な問題として悩みの種となっている方が増えています。
宗教との関係性の希薄化、葬儀やお墓の多様化
コロナ禍の影響や核家族化の影響で、葬儀は家族葬が主流になってきていると言われていますが、葬儀の形もそれぞれの希望に合わせて多様化し、お墓や供養の選択肢も増えてきています。
葬儀やお墓などの判断、選択、準備が個人に求められるようになりました。
「終活」をする理由
終活とは、これからの人生をよりよく心豊かに生き、後悔のない最期を迎えるための活動です。
行う内容は、自分の情報を整理し、死後の対策を行うなどの活動ですが、亡くなったあとのことだけではなく、「これからの人生をよりよく心豊かに生きる」という点こそが大切です。
どこまで準備する必要があるのか
ご自身の環境によっておこなうべき終活の内容は変わりますので、必要と思うことから始めるのがよいでしょう。
死亡後の手続きや葬儀、お墓、相続の問題はもちろん、高齢になってからの衣食住、医療や介護のこと、終末期医療に対する希望、財産の整理や管理の問題は特に重要です。
高齢になるにつれ、ほとんどの人は体力が衰え何らかの病気を抱えるようになり、判断能力も低下し認知症の症状が出る確率も高まります。
入院や手術、病気やケガの時に誰に頼るのか、終末医療をどうするのかを考えておくのも大切なことです。
身体が不自由になったり、認知症になったりした場合には、誰かの手助けが必要となります。
誰に何を頼むのか、介護費用はどうするのか、あらかじめ準備しておくかどうかで、支える人の負担も大きく変わります。
また、認知症になると、たとえお金があっても自由に使うことが難しくなります。
元気なうちに、いざというときのことまで考えておくことは実際なかなかむずかしいですが、とても重要です。
「死後の手続き」や亡くなったあとの「財産の処分」などの死後事務は必ず誰かに任せることになります。
どのような葬儀を望むのか、財産はどのように処分して欲しいのか、お墓の問題があればどうして欲しいのか、ペットは誰に託したいのか、などということを決めて、それを行う人に伝えておくことも必要でしょう。

きっかけは人それぞれ
「終活」は、
いつはじめるか、どこまでやるか、そもそもする事自体が自身の自由です。
しかし、心配事や問題を整理しいざという時のための備えを済ませておくことは「自分のこれからの人生をよりよく心豊かに過ごす」うえでは有効な手段です。
もちろん、あとに残す人のためにも行っておいた方がいいのも事実です。
「終活」に興味をもたれたならば、一度、行動にうつしてみるのもよいのではないでしょうか?
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